『新しいぶどう酒は新しい革袋に…』
※このメッセージは、3月22日の週報に載せられた、朝日放送ラジオの原稿です。
5月3日（日）午前4：30に朝日放送ラジオから放送されます。
牧師は、毎月第一日曜日に朝日放送からメッセージを流しています。
お早うございます。野崎キリスト教会の神田宏大です。
今日は「新しいぶどう酒は新しい革袋に…」と題してお話ししましょう。
聖書マタイによる福音書９：９－１３、マタイという取税人のメッセージです。
イエス様は、そこを去って道を通りながら、収税所にすわっているマタイという人をご覧になって、「わたしについて来なさい。」と言われた。すると彼は立ち上がって、イエスに従った。イエスが家で食事の席に着いておられるとき、見よ、取税人や罪人が大ぜい来て、イエスやその弟子たちといっしょに食卓に着いていた。すると、これを見たパリサイ人たちが、イエスの弟子たちに言った。「なぜ、あなたがたの先生は、取税人や罪人といっしょに食事をするのですか。」
イエスはこれを聞いて言われた。「医者を必要とするのは丈夫な者ではなく、病人です。 『わたしはあわれみは好むが、いけにえは好まない。』とはどういう意味か、行って学んで来なさい。わたしは正しい人を招くためではなく、罪人を招くために来たのです。」
当時、ローマの属国になっていたユダヤ人たちは、ユダヤ人でありながらローマの手先になって自分たちユダヤ人から税金をむしり取っていた取税人を嫌っていました。
イエス様は、その取税所にいるマタイに声をかけられ、「わたしについて来なさい。」と、ご自分の弟子になるように招かれました。当時、ユダヤ人から嫌われていた取税人は律法によって会堂に入ることが許されていない盗賊や殺人者と同一の者と見なされていました。その取税人マタイを招かれ、彼の家での食事の席につかれました。厳格な宗教家パリサイ人は、イエス様を批判してイエス様の弟子たちに、「なぜ、あなたがたの先生は、取税人や罪人といっしょに食事をするのですか。」と言いました。
それを聞いていたイエス様は、「医者を必要とするのは丈夫な者ではなく、病人です。 『わたしはあわれみは好むが、いけにえは好まない。』とはどういう意味か、行って学んで来なさい。わたしは正しい人を招くためではなく、罪人を招くために来たのです。」と取税人であったマタイを弁護して守ってあげました。
そうです。「罪人を招くために」イエス様は来られたのです。イエス様と出会ったマタイは、 帳簿をごまかし、 不正な取り立てをしていた筆を正しく持ちかえて、新約聖書マタイによる福音書を書く者に変えられました。
バークレーという聖書注解者は、「イエスは、すべての人から嫌われている取税人マタイを招かれたのである。イエスは、人の現在の状態ばかりではなく、将来の可能性に目をとめられる。イエスほど人間の可能性を信じた方を、他に見ることはできない」と言っています。
人々から捨てられ疎外されていたマタイにとって、あの素晴らしい宗教家であり、聖いイエス様が自分の家だけでなく、汚れた自分の心の中にまで来てくださった感動に心をふるわせていたと信じています。
この時から、マタイの心は「新しいぶどう酒の喜び」に浸っていたと思われます。彼はイエス様と出会った時から取税所を去って神様のご支配の中に生きるようになったのです。キリストにある「新しい革袋」が必要になったのです。だから、この「新しいぶどう酒の喜び」を皆に知って欲しいと、マタイによる福音書を、このマタイは聖霊の導きによって書き上げることができたのです。
トンボの幼虫ヤゴは泥沼の中に生まれて泥の中をはいずり回っていました。しかし、時が来ると水から出て、自由に大空を飛び回るようになるのです。
ヤゴが泥沼にいることは不思議ではありません。それはまだ新しい世界で住めないからです。トンボになったのに泥沼で生きる必要はありませんね。私たちは大空を飛び回るトンボ以上に、神様のご支配され、祝福された恵みの中を、生き生きとした人生を送ることができるようになるのです。
あなたもイエス様の招きに答えて、イエス様をあなたの心の中にお迎えして霊的な祝宴を経験してください。
今日の御言葉
だれも、真新しい布切れで古い着物の継ぎをするようなことはしません。そんな継ぎ切れは着物を引き破って、破れがもっとひどくなるからです。
また、人は新しいぶどう酒を古い皮袋に入れるようなことはしません。そんなことをすれば、皮袋は裂けて、ぶどう酒が流れ出てしまい、皮袋もだめになってしまいます。新しいぶどう酒を新しい皮袋に入れれば、両方とも保ちます。
マタイによる福音書９：１６－１７
野崎キリスト教会